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【独学OK】短期間で合格!第二種電気工事士の効率的な勉強法とスケジュール例

第二種電気工事士の資格は、未経験からでも合格が目指せる国家資格のひとつです。

とはいえ、「何から始めればいいかわからない」「仕事と両立しながら独学で合格できるか不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、独学で合格を目指す方に向けて、最短ルートで効率よく合格するための勉強法と、試験日から逆算したスケジュール例をわかりやすく紹介します。限られた時間の中でも合格に近づくポイントを押さえて、無理なく、確実に合格を目指しましょう。

電気工事士試験とは?

ここでは、第二種電気工事士の資格内容、試験制度、合格率など、受験前に知っておきたい基礎知識を解説します。

第二種電気工事士の資格概要

第二種電気工事士は、住宅や小規模施設の電気設備工事に従事できる国家資格です。

電気工事は、感電や火災といった重大事故につながるリスクがあるため、電気工事士法により、無資格者が特定の電気工事を行うことは禁止されています

そのため、第二種電気工事士は、一般住宅や小規模施設で600ボルト以下の電気設備工事を安全に行うための国家資格として義務付けられているものです。未経験からでも取得は可能で、以下のような工事ができるようになります。

  • コンセント
  • 照明の取り付け
  • ブレーカーや分電盤の交換
  • 空調設備設置時のの電気接続

学科試験と技能試験の違い、試験日程の概要

第二種電気工事士試験は、以下の2つの試験で構成されています。

学科試験

  • 内容:電気理論、配線図、法規などの基礎知識を問う筆記試験(四肢択一式)
  • 時期:上期=6月上旬頃、下期=10月上旬頃

技能試験

  • 内容:支給された材料で候補問題に基づいた配線作業を行う実技試験
  • 時期:上期=7月中旬、下期=12月中旬

技能試験は学科試験合格者のみ受験可。合格通知の翌年度まで有効です。

合格率と難易度|未経験者でも合格可能?

第二種電気工事士試験の合格率は比較的高めで、国家資格としては合格しやすい部類に入ります。

たとえば、2025年(令和7年度)上期技能試験の合格率は72.0%で、過去3年の上期では【R5:73.2%、R6:71.0%、R7:72.0%】と安定しています(※)。

(※)出典:一般財団法人 電気技術者試験センター
https://www.shiken.or.jp/ecee-overview/press/upload/2025_K_kamikiginou_77921.pdf

なお、試験別の合格率を見ると、概ね次のようになっています。

試験種別合格率(目安)
学科試験約55〜60%
技能試験約70%前後

技能試験では「候補問題」が事前に公表されるため、十分に練習すれば高確率で合格できます。実際に、未経験・独学でも合格している方は多数います。重要なのは、合格から逆算してスケジュールを組み、計画的に取り組むことです。

短期間で合格できる?必要な勉強時間と戦略

試験日まで時間が限られていても、ポイントを絞った学習を行えば第二種電気工事士の合格は十分に狙えます。

ここでは、学科・技能それぞれの勉強時間の目安と、効果的な学習順序、独学か講座活用かの判断基準について解説します。

学科:30〜50時間/技能:20〜30時間が目安

第二種電気工事士は国家資格ですが、全体の勉強時間は約50〜80時間程度が目安とされています。学習時間の目安は以下のとおりです。

試験区分勉強時間の目安主な内容
学科試験約30〜50時間電気理論・法規・配線図の理解
技能試験約20〜30時間候補問題13問の反復練習と工具操作

この勉強時間を踏まえると、時間が取りづらい社会人でも、1日1〜2時間のペースで約1〜1.5か月を確保できれば、十分に合格が狙えます。特に技能試験は実技中心のため、短時間でも手を動かして慣れることが重要です。

学科と技能は並行学習 or 分割学習?

学科と技能の学習順は、受験者のスケジュールや学習習熟度によって戦略が分かれます

学習期間に余裕がある場合:並行学習

  • 同時進行で進めることで、後半の学習負担を軽減できる
  • 学科内容が技能の理解にもつながり、効率が良い

時間がない/未経験者の場合:分割学習

  • まずは学科試験の突破を最優先(合格しないと技能試験に進めない)
  • 学科合格後に技能へ集中することで、1つずつ確実に仕上げられる

理想としては並行学習ですが、学科試験が先にあることから、現実的には学科を先行する分割学習を行う方がほとんどでしょう。第二種電気工事士の資格にチャレンジ・合格した電工ナビのスタッフも、ほぼ全員が分割学習で試験に臨んでいます。

独学 vs 講座活用の判断基準

第二種電気工事士の試験対策としては、独学のほかに有料講座を活用する方法があります。

独学で十分なケース

  • 自分でスケジュール管理できる人
  • 基礎学力があり、参考書を読んで理解できる人 ・過去問やYouTubeなど無料教材を活用できる人

この場合は、市販のテキスト+過去問集で合格者も多く、コストを抑えて合格が狙える方法です。

講座を活用した方が良いケース

  • 電気の基礎知識が全くない(数学・物理が苦手)
  • スケジュール管理が苦手で、ペース配分がわからない
  • 短期間で一発合格を確実に狙いたい

特に、技能試験ははじめての方には難しく感じられるケースも多いため、学科試験合格後、技能のみ対面講座を利用するという方が少なくありません。

また、最近ではYouTubeなどで無料のオンライン講座も視聴できるため、こうした動画を活用するのも効果的です。

スケジュールで見る! 3週間短期学科合格プラン【図解あり】

「時間がないけど、どうしても次の試験で合格したい」という方へ向けて、3週間で学科試験に合格するための短期集中プランをご紹介します。

1日1〜2時間の学習を前提に、効率的に知識を習得し、得点力を高めるステップを週単位で整理しました。

1週目:基礎固め(インプット中心)

学ぶべき内容

  • ・電気理論(オームの法則、電力、電流など)
  • ・配線図の基本記号と回路構成
  • ・法令・施工方法の全体像

学習の進め方

この週は「広く・浅く」全体像を掴むことが目標です。

市販テキストやYouTubeの動画を活用し、毎日1章分を目安に読み進めましょう。特に、理解に時間がかかる電気理論は、動画で理解を深めるのが有効です。

2週目:過去問で実践力を養成

学ぶべき内容

  • 過去問5年分を分析(全分野)
  • 配線図問題への慣れ
  • よく出る法令問題のパターン学習

学習の進め方

時間がたっぷりある場合は、章ごとに理解を深めていくのがおすすめですが、短期合格を目指す場合、そこにあまり時間をかけていられません。

そこで2週目からは過去問演習を中心に切り替えます。1日1回分(または2分野)を解いて、解説を熟読。間違えた問題はすぐにチェックリスト化し、後日復習できるようにします。その上で、理解不足の分野や苦手の分野について、テキストで確認していきます。

3週目:弱点克服&模試形式で仕上げ

学ぶべき内容

  • 間違いが多かった分野の総復習
  • 模試形式での時間配分の確認
  • 試験当日の持ち物・注意点の準備

学習の進め方

最終週は「仕上げ」の期間です。模擬試験(過去問1回分)を本番同様の時間で解く→採点→復習を繰り返し、実践力を鍛えましょう。

覚えきれていない法令用語や施工名称を、暗記カードや一問一答アプリなどで整理すると効果的です。

主な目的学習内容(例)
1週目基礎理解テキスト読解、用語の整理
2週目得点力の強化過去問演習・パターン分析
3週目仕上げ&調整模試形式、弱点補強、復習

第二種電気工事士合格のおすすめ教材・動画

独学で合格を目指すなら、「教材選び」が合否を分けると言っても過言ではありません。ここでは、実際に電工ナビスタッフも活用し、特に効果を実感したテキスト・動画教材を厳選してご紹介します。

いずれも未経験者でも取り組みやすく、効率的に学習を進めるうえで役立つものばかりです。

独学向けおすすめテキスト

『第二種電気工事士 学科試験の教科書&問題集』(TAC出版)

初学者にとって最大の障壁は、「図記号・施工方法・電気理論」といった専門用語の理解です。このテキストは、これらの知識をカラーイラストで視覚的に理解できる点が特徴で、文章中心の参考書が苦手な方にもおすすめできます。

また、問題集も付属しているため、「教科書で理解→問題を解く→わからなかった問題を教科書で振り返る」といった流れがスムーズなのもポイントです。

https://bookstore.tac-school.co.jp/book/detail/111517

YouTube動画

ホーザン公式チャンネル(実技対策に最適)

実技(技能試験)対策には、ホーザン(HOZAN)公式のYouTube動画が非常に有効です。工具メーカーであるホーザンが提供する映像は、配線作業の手順・工具の使い方・時間短縮のコツなどを実演付きでわかりやすく解説しています。

スタッフも実際に視聴しながら練習することで、テキストだけでは理解しづらかった「リングスリーブの圧着」や「VVFケーブルの被覆剥ぎ」などの工程を正確に再現できるようになりました。無料で視聴可能なのも大きな魅力です。

学科対策の動画も用意されているので、テキストと合わせて活用すると良いでしょう。

https://www.youtube.com/@HOZANdenko

実体験からのワンポイントアドバイス・テキストと動画を併用することで、理解と実践の両面から効率的に学習が進みます。

技能試験の対策ポイントと練習法

第二種電気工事士の技能試験は、限られた時間内で正確に作業をこなす実技試験です。筆記試験に合格しても、この技能試験で不合格になる受験者も少なくありません。

ここでは、13の候補問題への取り組み方から、練習キットの活用法、さらには講習受講の検討まで、短期合格に向けた実践的なアプローチを解説します。

候補問題13課題の重要性

技能試験では、あらかじめ公表された13の候補問題から1問が本番で出題されます。図面の読み取り、配線の選別、結線作業、測定器の使用など、すべての候補問題に共通する基本技能を習得することが不可欠です。

したがって、13課題すべてを一通り練習することが合格への最短ルートとなります。特に出題頻度の高い配線パターンや、施工ミスが起きやすい箇所(例えばリングスリーブ圧着や絶縁被覆の剥離)に注意しながら、繰り返し作業を行いましょう。

練習キットの使い方

HOZANやTASCOの技能試験用キットを活用

市販の技能試験用練習キットには、13候補問題すべてに対応する材料やパーツが同梱されています。とくにHOZANやTASCOのキットは精度が高く、初心者でも迷わず練習に取りかかれます。

効率的な使い方としては、まず1問を制限時間内(40分)で通してやってみること。その後、作業に時間がかかった箇所・ミスが起きた箇所を重点的に復習します。また、複数回の使い回しができる部材もあるため、コスト面を考慮して練習順序を工夫するのもポイントです。

短期合格を目指すのであれば、講習受講も視野に

独学でも十分合格可能ですが、「時間がない」「図面の読み取りや作業手順に不安がある」という方は、有料の技能試験対策講習の受講も検討しましょう。

電気工事士向けのスクールでは、講師による実演・指導のもと、実際の作業に近い環境で練習が可能です。1日〜2日で全候補問題を網羅する短期集中型の講座もあり、特に短期間での合格を狙う受験者には心強いサポートとなります。

第二種電気工事士の受験でよくある質問

第二種電気工事士の勉強や試験に関して、受験者からよく寄せられる質問をまとめました。独学での合格を目指す方、短期での合格を狙いたい方は、ぜひ参考にしてください。

Q. 第二種電気工事士の試験は独学でも合格できますか?

A. はい、独学でも十分に合格可能です。特に筆記試験(学科)は、公式テキストや過去問を使って学習すれば対応できます。技能試験についても、候補問題が事前に公表されているため、練習キットや動画を活用して対策すれば、初学者でも十分に合格が狙えます。

Q. 学科と技能の勉強は同時に進めた方がいいですか?

A. 学科試験と技能試験は試験日が異なるため、基本的には段階的に学習するのが一般的です。

Q. 筆記試験の合格基準は何点ですか?

A. 学科試験は100点満点中60点以上が合格ラインとされています。四肢択一形式で全50問出題されるため、30問以上正解すれば合格となります。

Q. 技能試験はどんなミスをすると不合格になりますか?

A. 技能試験では、欠陥(重大な施工ミス)があると不合格になります。たとえば、誤配線、圧着不良、絶縁不良、欠品などが該当します。作業スピードよりも正確さが重要です。候補問題の練習で確実に欠陥を防ぐスキルを身につけましょう。

Q. 受験に年齢や学歴の制限はありますか?

A. いいえ、第二種電気工事士の受験には年齢・学歴・職歴などの制限は一切ありません。未経験者や学生、社会人のキャリアチェンジ目的でも広く受験されています。

短期合格を目指すなら、今すぐ動き出そう!

第二種電気工事士は、未経験からでも正しい戦略と教材で短期間の合格が十分に狙える国家資格です。スケジュール設計や過去問演習、技能対策を計画的に進めることで、3週間〜1ヶ月の学習期間でも合格を実現できます。

電気業界でのキャリアアップや転職をお考えなら、今が学習スタートのチャンスです。

資格取得のサポートがある企業も!

第二種電気工事士は、個人で取得できる資格ですが、実は資格取得を支援する制度を整えている企業も増えてきています。未経験からチャレンジする方にとっては、働きながら学べる環境は非常に心強いものです。

電工ナビでは、資格取得支援制度を備えた求人情報も多数掲載中。転職を機に電気工事士資格を目指したい方や、働きながらスキルアップを図りたい方は、ぜひチェックしてみてください。