電気の仕事・資格

ネットワーク設備全体を統括する資格・電気通信主任技術者のお仕事とは?

電気通信主任技術者のシゴト

電気通信主任技術者の仕事内容

▼昭和60年に電気通信事業法の成立に伴って制度化された国家資格です。
▼電気通信主任技術者とは、電気通信ネットワーク工事、施工や電子ネットワークの運用などの監督責任者になるための資格です。
▼日本データ通信協会が行なっている国家試験で合格する事によって資格を取得する事が出来ます。
▼最も関連性が高い資格である工事担任者が、ネットワークの末端(電話端末)における工事スペシャリストであるのに対し、事業者側のネットワーク設備全体を統括するのが特徴です。

監督できる範囲

ネットワークを構成する設備によって監督できる範囲が2つに区別されています。

伝送交換主任技術者

事業用電気通信設備。(線路設備及びこれに附属する設備を除く。)
※線路設備以外のものという広い概念になっています。具体的には、伝送設備、無線設備、交換設備を中心にサーバや電力設備などが主な対象です。(ただし原則的に『回線』を保有している事業者の設備が対象。)

線路主任技術者

主に電気通信業の線路設備などの工事、維持、運用の行なえる資格です。
※伝送路と呼ばれる有線通信に使用する電線類とそれに付随する設備を指します。具体的には電柱に敷設されている電話回線、国際電話に使用する海底ケーブル、市内を走る埋設通信線あるいは、それらを収容する洞道(とうどう:トンネル)、マンホール、ハンドホール、管路などを指します。

試験について

▼有効期限:なし
▼受験資格:なし
▼年2回(1月/7月)
※詳細は日本データ通信協会で発表しています。
▼受験料:18,700円
▼試験実施会場
札幌、長野、東京、金沢、長野、名古屋、大阪、広島、松山、福岡、熊本、那覇
▼全4科目。科目合格制を採用(3年間有効)、共通問題の他、選択科目あり。
▼全科目マークシート式。
▼電気通信分野の国家資格の中では、もっとも難しい資格の一つ。
▼合格基準:各科目の得点が、100点満点中60点以上で合格。
▼合格率:20%
▼合格発表:試験日より約30日後、日本データ通信協会HP内で合格発表が行われています。

財団法人日本データ通信協会日本電気通信国家資格センター

資格試験の内容

電気通信システム

▼電気工学の基礎
▼通信工学の基礎
▼電気通信システムの基礎理論
▼電気通信システムの構成
※出題形式は5択1式で全20問です。

専門的能力

▼伝送、無線、データ通信、通信電力のうちいずれか一分野に関する専門的能力。
▼通信線路、通信土木、水底線路のうちいずれか一分野に関する専門的能力。

伝送交換設備及び設備管理(伝送交換主任技術者のみ)

▼伝送交換設備の概要
▼伝送設備の維持及び運用
▼交換設備の維持及び運用
▼無線設備の維持及び運用
▼データ通信の維持及び運用
▼通信電力の維持及び運用
▼セキュリティ管理の概要
▼セキュリティ対策

路線設備及び設備管理(線路主任技術者のみ)

▼通信ケーブルの概要
▼通信土木設備の概要
▼インターフェース技術の概要
▼通信ケーブルの維持及び運用
▼通信土木設備の維持及び運用
▼水底線路の維持及び運用
▼セキュリティ管理の概要
▼セキュリティ対策

法規

▼電気通信事業法関連
▼優先電気通信法関連
▼電波法関連
▼不正アクセス行為の禁止等に関する法律
▼電子署名及び認証業務に関する法律
▼国際電気通信連合憲章と国際電気通信連合条約の大要

電気通信主任技術者の年収

電気通信主任技術者は、おおよそ400万円~600万円程度の年収となるようです。