雇用形態の種類とは
雇用形態には大きく分けて、5種類あります。
それぞれ働く場所は同じでも、働き方や待遇が大きく違います。
正社員 | 契約社員 | パート アルバイト |
請負 | 無期雇用派遣 | 登録型派遣 | |
形態 | 正社員 | 契約社員 | パート アルバイト社員 |
請負元企業の正社員・契約社員 | 派遣元企業の正社員 | 派遣社員 |
勤務時間 | 就業規則に定められた時間 | 契約で定められた時間 | 自由に選べる | 請負会社の規則に準ずる | 自由に選びづらい | 自由に選びやすい |
転勤 | あり。 拒否できない |
なし。 (契約による) |
なし | 少ない | 派遣先・派遣元による | 派遣先による |
残業 | 応じる必要あり | あり・なしを契約で選択 | 応じるかは自由 | 請負元会社の規則に準ずるが、請負先による | 派遣先・派遣元企業による | 派遣先による |
休日 | 就業規則に定められた休日。 | 正社員と同じ場合が多い | 比較的自由に設定可能 | 請負会社の休日だが、請負先に合わせる場合が多い | 派遣先・派遣元企業の休日 | 派遣先の休日 |
有給休暇 | 業務の都合で取りにくい場合もある | 正社員と同じか、比較的取りやすい | 法律では認められているが、取りにくい | 取りやすい。請負先にもよる | 派遣元企業による | 待機期間と取れる |
社会保険 | すべて完備 | 正社員と同じ場合が多い | 働く時間・期間による | 正社員・契約社員と同じ | 正社員と同じ | 一定の条件を満たせば可能 |
有期or無期 | 雇用期間の定めなし | 契約期間内。契約満了すると再契約延長か、契約満了で契約解除。 | 一般的には、単発・短期間が多い。雇用期間が5年を超えたら無期雇用に転換可能 | 正社員の場合契約の期限はなし。 契約社員・請負契約の場合は契約期間あり | 無期 | 有期 |
通勤交通費用 | 多くは支給 | 契約によるが多くは支給 | 多くは支給だが、企業による | 多くは支給 | 派遣元から多くの場合支給 | 派遣先により異なる |
諸手当 | あり。 昇給・賞与なども |
契約による | ない場合が多い | 正社員はあり | 正社員はあり | なし |
正社員のメリットとは?
◇安定感がある◇
労働基準法で守られていて、会社の事情を除けば短期間のうちに解雇されないことが原則で、基本的には定年まで安定して働くことが可能です。
◇待遇が良い◇
原則的に固定給として給料を支給されます。また、正社員として採用された場合は、多くの事業所で夏季や冬季において、ボーナスを支給されます。会社によっては、出世をすることで給料の定期的な上昇や特別手当が上がるメリットだけではなくて、財形貯蓄などの将来に向けた制度を整えている会社も多く、万が一の時の将来の生活が保証されやすいです。
また、万が一失業してしまった場合のために、雇用保険への加入が義務付けられていることで、会社の事情によって仕事を失った時に、再就職まで食べていけるだけの収入を得ることが出来る点も大きなメリットです。
◇各種手当が支給される◇
正社員には、会社の規則によりさまざまな手当が支給されます。家族を養う人のための「家族手当」や「扶養手当」、家賃補助となる「住宅手当」、資格を持つ人などの支給される「資格手当」、管理職に支給される「役職手当」など、昇給や結婚など人生や仕事の節目でもらえる様になる手当も多いです。
◇正社員の肩書きは社会的信用が高い◇
マイホームやマイカーの購入をするときに、正社員であるということは「ある程度の定期収入があるだろう」、つまり「貸したお金を確実に返してくれるだろう」という社会的信用が、他の雇用形態に比べて段違いに高いのです。社会的信用度とは、銀行などから融資を受けて購入する際の指標となるものです。住宅ローン・自動車ローン・教育ローン・クレジットカード審査などさまざまなところで基準として使われています。非正規雇用者に対する世間の目は厳しく、派遣労働者の人などはローン審査に落ちてしまったり、クレジットカードの契約ができない場合があります。
◇転職に有利◇
転職を考えている際に、「正社員で働いていました」と「派遣社員で働いていました」では、仕事の内容や働いていた機関が同じでも扱いが違う場合があります。日本では、正社員の肩書き以外を労働のキャリアとして勘定しない傾向があります。
◇毎月一定の給料が入る◇
正規雇用者と非正規雇用者の大きな違いはなんと言っても収入でしょう。パートやアルバイトではどんなに頑張って月20万円手にしたいと思っても、なかなか出来るものではありません。
しかしその収入の中から税金・年金・健康保険などを支払うことになり手取りとして残る金額はかなり減ってしまいます。
しかし、正社員の場合は基本給が定められています。基本的に1日8時間、月に20日程度働けば満額支給されます。有給をつかうことで給料が減ることはありません。残業すれば残業代が出ますし、昇給やボーナスもあります。退職金、家族手当なども支給されます。
収入の安定度合いが正規雇用者と非正規雇用者の大きな違いです。フリーターとしてずっと働き続ける人は限られますが、下記の表を見ると、高卒と比べて1億5,000万円以上の差が生まれてしまいます。
●○生涯給与○● | ||
正社員 | 大卒 | 平均2億6,000万円 |
高卒 | 平均2億1,000万円 | |
フリーター | 平均6,000万円 |
◇働きながらスキルアップできる◇
仕事ができれば、それなりに責任が重くなるがやりがいも増えます。人間的にも成長することが可能です。会社負担で、色々な研修を受けることができたり、仕事に関する資格取得の支援を受けることができます。企業によっては資格を取得した際に、報奨金が支給されたり、資格手当が毎月支給されたりする場合があります。
まとめ
正規雇用である正社員として働くことは安定した生活を送る上で重要な意味を持ちます。
大きなメリットは長期間安定して働くことができることです。一般的にはよほどの理由がない限り、会社は正社員を解雇することはできません。また、昇給や賞与など評価が収入につながってくることもあるため、仕事に対して意欲を抱きやすいということも挙げられます。この他に、住宅手当など会社規定の手当てや福利厚生を受けられることも大きなポイントです。