
そもそも、福利厚生とは…?
「福利」は、「幸福と利益。幸福をもたらす利益。」を、「厚生」は、「人間の生活を健康な豊かなものにすること。」という意味があります。
つまり、福利厚生とは、企業から社員に支給される給料以外の報酬(サービス)のことをさします。
福利厚生は大きく分けて、法律で定められている「法定福利厚生」と、企業が独自にそれぞれ設けている「法定外福利厚生」の2種類存在します。少子高齢化により労働人口が減ってきている中で、人材を確保するための一手段として、福利厚生を改めて整備の検討をする企業も増えてきています。近年、若者の間では働き方が変化しています。仕事を優先するのではなく、自分自身の生活や家族との生活など、仕事以外の生活を重要視する「ワーク・ライフバランス」の社会的関心が高まっています。この結果から、企業も福利厚生を充実させ、仕事面でのサポートだけでなく、社員の仕事以外の面でのサポートも充実させるような福利厚生が増えてきています。
福利厚生の種類について
法定福利厚生
法律で明確に定められている福利厚生です。大きく分けて、社会保険と労働保険の2つがあります。
分類 | 保険科目 | 詳細 | 会社負担分 |
社会保険 | 健康保険 | 病気や怪我、出産や死亡といった事態に備えるための医療保障制度です。 | 半額負担 |
介護保険 | 従業員の年齢が、40歳以上65歳未満の場合に健康保険料と一緒に徴収されます。加齢に伴う疾病などにより介護が必要になった場合や、そのおそれがある場合に一定の給付が行われます。(40歳以上が加入) | ||
厚生年金保険 | 民間企業で働く被保険者のための公的年金制度であり、被保険者が老齢、障害、死亡によって、働くことが困難となった場合に、本人または家族の生活の安定のために年金給付が行われる仕組みとなっています。 | ||
労働保険 | 雇用保険 | 被保険者の生活、及び雇用の安定と就職の促進のための制度です。失業した場合に教育訓練を受けられる保険となっています。自主的な退職の場合にもこの雇用保険制度は適用されることになります。 | 一定割合負担 |
労災保険 | 勤務中や通勤中に生じた負傷や疾病、死亡等に関して、被保険者やその遺族のために必要な保険給与を行うための制度となっています。 | 全額負担 | |
その他法定福利厚生 | 子ども・子育て拠出年金 | 子供がいるいないに関わらず、給料の一部が児童手当の財源の一部として収められます。事業者が払うものなので、社員への負担はありません。 |
法定外福利厚生
企業がそれぞれ独自に設ける福利厚生です。一般的に福利厚生と言われたら、こちらの法定外福利厚生を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。人材確保のため、最近ではさまざまな法定外福利厚生があります。
種類 | 概要 |
住宅手当・家賃補助 | 企業が従業員に住宅費用を補助する福利厚生のことです。支給される費用については、企業によって異なります。全額負担という企業は稀です。月1万円~2万円が平均の支給額と言われています。 |
交通費 | 通勤にかかる費用を会社が負担する制度です。一部負担・全額負担などさまざまです。社用車を貸与する場合も稀にあります。 |
資格取得支援制度 | 会社が指定する資格を取得する際に発生する試験受験料を負担する制度です。試験料を負担する場合、講習費用を負担する場合、全額負担の場合、さまざまです。 |
健康診断 | 会社が健康診断費用や、人間ドッグ費用を負担する制度です。 |
制服・道具貸与 | お仕事に必要な制服や道具を会社が負担する制度です。 |
企業によっては、他にも独自の法定外福利厚生が多く存在します。
「ワーク・ライフバランス」が重要視される今、福利厚生に力を入れる企業も増えてきています。福利厚生が充実していることで、働きやすさや、モチベーションに繋がります。
就職・転職をお考えの際には、福利厚生も視野にいれると良いでしょう。
福利厚生についてのまとめ
福利厚生は働く社員が心身ともに健康で幸せと感じることが出来るように設けられた制度です。企業と社員の双方が気持ち良く働くためにも福利厚生の充実はとても重要となっています。社員1人の仕事の効率性が上がれば、企業の運営もプラスになり、好循環となる有益な制度となっています。
就職・転職の際、福利厚生にも注目してみると良いでしょう。