私たちの生活に必要不可欠で身近にある冷暖房、空調、ガス配管、給湯設備、浄化槽工事、衛生設備工事など全て「配管工事」で成り立っています。管工事施工管理技士は便利でなくてはならない「配管工事」を行い、私たちの生活を支える仕事です。
「管工事施工管理技士」ってどんな仕事?
管工事施工管理技士とは、建設業における管工事の施工計画を立案し、作業工程の管理や品質の管理、安全の管理などの業務全般のことを指します。この管工事には、例えば冷暖房設備工事、空調設備工事、ガス配管工事などがあり、建設における配管全般のことを指しています。つまり、仕事内容としては、配管工事の施工計画を立て、工程管理、品質管理、安全管理等を行います。管工事施工管理は、国土交通省管轄の国家資格で、1級管工事施工管理技士と2級管工事施工管理技士に分類され、建設業には欠かすことができない資格となっています。
管工事施工管理技士として働くには?
管工事施工管理技士は、誰にでも取得できる資格ではなく、各種学校の指定学科を卒業して、さらに実務経験があることが必要です。指定学科以外を卒業した場合は、その分長く実務経験が必要になります。なお、義務教育を終了した方だけでも8年以上の実務経験があれば、受験資格を得られます。1級管工事施工管理建設業法により特定建設業の営業所に置かなければならない専任の技術者や、工事現場ごとに置かなければならない主任技術者および監理技術者になることができます。監理技術者であり続けるためには更新が必要になります。2級管工事施工管理建設業法による一般建設業の営業所の専任技術者や、工事現場における主任技術者となることができます。
管工事施工管理技士の資格の種類は?
管工事施工管理技士の資格は1級管工事施工管理技士と2級管工事施工管理技士に分かれています。1級と2級では、請け負える業務範囲が異なります。
1級管工事施工管理技士
建設業法に基づき、管工事の現場や、特定建設業の営業所には下請への発注金額が4,000万円以上の、いわゆる特定建設業の専任技術者を置く義務があります。この専任技術者になるために必要な資格が、1級管工事施工管理技士です。大規模工事の専任技術者として業務に参加するには、1級が必須ということになります。さらに、建設工事における主任技術者と監理技術者にもなることができます。
受験資格
学科・実地試験受験者 学歴又は資格により(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)のいずれかに該当する者
(イ)学歴
学 歴 | 実務経験年数 | |
指定学科卒業後 | 指定学科以外卒業後 | |
大学専門学校「高度専門士」 | 3年以上 | 4年6ヶ月以上 |
短期大学高等専門学校
専門学校「専門士」 |
5年以上 | 7年6ヶ月以上 |
高等学校 中等教育学校 専門学校(「高度専門士」「専門士」を除く) |
10年以上 | 11年6ヶ月以上(※1) |
その他 | 15年以上 |
上記実務経験年数のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていることが必要です。
(ロ)2級管工事施工管理技術検定合格者
区 分 | 学 歴 | 実務経験年数 | |
指定学科卒業後 | 指定学科以外 卒業後 |
||
2級合格後の実務経験 | ー | 5年以上 | |
合格後5年未満の者 | 高等学校 中等教育学校 専門学校(「高度専門士」「専門士」を除く) |
9年以上 | 10年6ヶ月以上(※1) |
その他 | 14年以上 |
上記実務経験年数のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていることが必要です。
(ハ) | 職業能力開発促進法第44条による技能検定合格者 |
職業能力開発促進法第44条第1項の規定による技能検定のうち、検定職種を1級の配管とするものに合格した者であって、管工事施工に関し、指導監督的実務経験1年以上を含む10年以上の実務経験を有する者(職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令(平成15年12月25日厚生労働省令第180号)の施行の際、既に、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)による技能検定のうち、検定職種を1級の配管とするものに合格した者及び職業訓練法施行令の一部を改正する政令(昭和48年政令第98号)による改正前の職業訓練法施行令による1級の空気調和設備配管若しくは給排水衛生設備配管とするものに合格した者、又は同法附則第2条の規定による廃止前の職業訓練法(昭和33年法律第133号)による技能検定のうち、検定職種を1級の配管工とするものに合格した者を含む) |
(ニ)専任の主任技術者の経験が1年(365日)以上ある者
区 分 | 学 歴 | 実務経験年数 | |
指定学科 卒業後 |
指定学科以外 卒業後 |
||
2級合格後の 実務経験 |
ー | 合格後1年以上の専任の主任技術者実務経験を含む3年以上 | |
2級合格後 3年未満の者 |
短期大学高等専門学校
専門学校「専門士」 |
ー | 7年以上 |
高等学校 中等教育学校 専門学校(「高度専門士」「専門士」を除く) |
7年以上 | 8年6ヶ月以上(※1) | |
その他 | 12年以上 | ||
2級管工事の 資格のない者 |
高等学校 中等教育学校 専門学校(「高度専門士」「専門士」を除く) |
8年以上 | 11年以上(※1,※2) |
その他 | 13年以上 |
(ホ)指導監督的実務経験年数が1年以上、及び主任技術者の資格要件成立後専任の監理技術者の設置が必要な工事において当該監理技術者による指導を受けた実務経験年数が2年以上ある者
区分 | 学歴 | 実務経験年数 | |
指定学科 卒業後 |
指定学科以外 卒業後 |
||
2級合格後の 実務経験年数 |
ー | 3年以上(注1) | |
2級管工事の 資格のない者 |
高等学校 中等教育学校 専門学校(「高度専門士」「専門士」を除く) |
8年以上 (注2) |
ー |
(注1) 3年以上の実務経験のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数を含み、かつ、専任の監理技術者による指導を受けた実務経験年数2年以上を含む。
(注2) 8年以上の実務経験のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数を含み、かつ、5年以上の実務経験の後、専任の監理技術者による指導を受けた実務経験年数2年以上を含む。
※1 高等学校の指定学科以外を卒業した者には、高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)による試験、旧大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による検定、旧専門学校入学者検定規程(大正13年文部省令第22号)による検定又は旧高等学校高等科入学資格試験規程(大正8年文部省令第9号)による試験に合格した者を含む。
※2 職業能力開発促進法による2級配管技能検定合格者、給水装置工事主任技術者は、9年6ヶ月以上となります。
実地試験のみ受験者
平成29年度1級管工事施工管理技術検定・学科試験の合格者
技術士法第4条第1項の規定による第二次試験のうち、技術部門を機械部門(選択科目を「流体工学」又は「熱工学」とするものに限る)、上下水道部門、衛生工学部門又は総合技術監理部門(選択科目を「流体工学」、「熱工学」又は上下水道部門若しくは衛生工学部門に係るものとするものに限る)とするものに合格した者(技術士法施行規則の一部を改正する省令(平成15年文部科学省令第36号)による改正前の第二次試験のうち、技術部門を機械部門(選択科目を「流体機械」又は「暖冷房及び冷凍機械」とするものに限る)、水道部門、衛生工学部門又は総合技術監理部門(選択科目を「流体機械」、「暖冷房及び冷凍機械」又は水道部門若しくは衛生工学部門とするものに限る)とするものに合格した者を含む)で、受験する1級管工事施工管理技術検定学科試験の受検資格を有する者
※指定学科とは、土木工学、都市工学、衛生工学、電気工学、電気通信工学、機械工学又は建築学に関する学科をいいます。
※実務経験年数とは、管工事の施工に直接的に関わる技術上のすべての職務経験を合計した年数をいいます。
※実務経験年数のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数が必要です。
※実務経験年数は、学科試験の前日までで計算してください。
※2級試験合格者の実務経験年数は、その試験の合格発表日より計算してください。
引用:一般財団法人全国建設研修センター(http://www.jctc.jp/)
試験地
札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10地区
(試験地については近郊都市も含みます。)
合格基準
学科試験及び実地試験の別に応じて、次の基準以上の者を合格とするが、試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある。
・学科試験 得点が60%以上
・実地試験 得点が60%以上
受験手数料
学科試験 8,500円 / 実地試験 8,500円
2級管工事施工管理技士
2級管工事施工管理技士の資格保有者の場合、認められている業務の範囲は一般建設業での専任技術者と主任技術者のみです。
受検資格
学科・実地試験受験者
下記のいずれかに該当する者
イ)学歴
(表-1)
学 歴 | 実務経験年数 | |
指定学科卒業後 | 指定学科以外卒業後 | |
大学専門学校「高度専門士」 | 1年以上 | 1年6ヶ月以上 |
短期大学高等専門学校
専門学校「専門士」 |
2年以上 | 3年以上 |
高等学校 中等教育学校 専門学校(「高度専門士」「専門士」を除く) |
3年以上 | 4年6ヶ月以上(※1) |
その他 | 8年以上 |
※1 高等学校の指定学科以外を卒業した者には、高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)による試験、旧大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による検定、旧専門学校入学者検定規程(大正13年文部省令第22号)による検定又は旧高等学校高等科入学資格試験規程(大正8年文部省令第9号)による試験に合格した者を含む。
ロ) 職業能力開発促進法第44条による技能検定合格者
職業能力開発促進法第44条第1項の規定による技能検定のうち、検定職種を1級の配管(選択科目を「建築配管作業」とするものに限る)又は2級の配管に合格した者であって、管工事施工に関し4年以上の実務経験を有する者(職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令(平成15年12月25日厚生労働省令第180号)の施行の際、既に、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号による技能検定のうち、検定職種を1級の配管(選択科目を「建築配管作業」とするものに限る)又は2級の配管とするものに合格した者及び職業訓練法施行令の一部を改正する政令(昭和48年政令第98号)による改正前の職業訓練法施行令による1級又は2級の空気調和設備配管若しくは給排水衛生設備配管とするものに合格した者、又は同法附則第2条の規定による廃止前の職業訓練法(昭和33年法律第133号)による技能検定のうち、検定職種を1級又は2級の配管工とするものに合格した者を含む)
学科試験のみ受験者
平成30年度中における年齢が17歳以上の者
実地試験のみ受験者
下記のいずれかに該当する者
イ) 平成29年度2級管工事施工管理技術検定 学科・実地試験の学科試験合格者
ロ) 平成28年度以降の学科試験のみ合格者で、(表-1)の2級管工事施工管理技術検定 学科・実地試験の受検資格を有する者
ハ) 技術士法第4条第1項の規定による第二次試験のうち、技術部門を機械部門(選択科目を「流体工学」又は「熱工学」とするものに限る)、上下水道部門、衛生工学部門又は総合技術監理部門(選択科目を「流体工学」、「熱工学」又は上下水道部門若しくは衛生工学部門に係るものとするものに限る)とするものに合格した者(技術士法施行規則の一部を改正する省令(平成15年文部科学省令第36号)による改正前の第二次試験のうち、技術部門を機械部門(選択科目を「流体機械」又は「暖冷房及び冷凍機械」に係るものとするものに限る)、水道部門、衛生工学部門又は総合技術監理部門(選択科目を「流体機械」、「暖冷房及び冷凍機械」又は水道部門若しくは衛生工学部門とするものに限る)とするものに合格した者を含む)で、受験する2級管工事施工管理技術検定 学科・実地試験の受検資格を有する者
ニ) 学校教育法による大学を卒業した者で在学中に施工技術検定規則(以下「規則」という)第2条に定める学科を修め、かつ、卒業後1年以内に平成27年度までの2級管工事施工管理技術検定の学科試験に合格(在学中の合格も含む。以下同じ。)し、卒業した後4年以内に行われる連続する2回の2級管工事施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で管工事施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者
ホ) 学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業した者で在学中に規則第2条に定める学科を修め、かつ、卒業後2年以内に平成27年度までの2級管工事施工管理技術検定の学科試験に合格し、卒業した後5年以内に行われる連続する2回の2級管工事施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で管工事施工管理に関し2年以上の実務経験を有する者
ヘ) 学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業した者で、平成27年度までの2級管工事施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による大学を卒業(短期大学又は高等専門学校在学中及び大学在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る)し、短期大学又は高等専門学校を卒業した後6年以内に行われる連続する2回の2級管工事施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で管工事施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者
ト) 学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で在学中に規則第2条に定める学科を修め、かつ、卒業後3年以内に平成27年度までの2級管工事施工管理技術検定の学科試験に合格し、卒業した後6年以内に行われる連続する2回の2級管工事施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で管工事施工管理に関し3年以上の実務経験を有する者
チ) 学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、平成27年度までの2級管工事施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業(高等学校又は中等教育学校在学中及び短期大学又は高等専門学校在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る)し、高等学校又は中等教育学校を卒業した後7年以内に行われる連続する2回の2級管工事施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で管工事施工管理に関し2年以上の実務経験を有する者
リ) 学校教育法による高等学校又は中等教育学校を卒業した者で、平成27年度までの2級管工事施工管理技術検定の学科試験に合格した後、学校教育法による大学を卒業(高等学校又は中等教育学校在学中及び大学在学中に規則第2条に定める学科を修めたものに限る)し、高等学校又は中等教育学校を卒業した後8年以内に行われる連続する2回の2級管工事施工管理技術検定・実地試験を受験しようとする者で管工事施工管理に関し1年以上の実務経験を有する者
※指定学科とは、土木工学、都市工学、衛生工学、電気工学、電気通信工学、機械工学又は建築学に関する学科をいいます。
※実務経験年数とは、管工事の施工に直接的に関わる技術上のすべての職務経験を合計した年数をいいます。
※実務経験年数は、学科試験日の前日までで計算してください。
試験地
▼「学科試験(前期試験)」
札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇の10地区
▼「学科・実地試験、学科試験(後期試験)」
札幌、青森、仙台、東京、新潟、金沢、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇の13地区
なお、2級学科試験のみ試験地については、上記試験地に、宇都宮を追加する。
(試験地については近郊都市も含みます。)
合格基準
学科試験及び実地試験の別に応じて、次の基準以上の者を合格とするが、試験の実施状況等を踏まえ、変更する可能性がある。
・学科試験 得点が60%以上
・実地試験 得点が60%以上
受験手数料
学科・実地試験 8,500円
学科試験のみ 4,250円 / 実地試験のみ 4,250円
引用:一般財団法人全国建設研修センター(http://www.jctc.jp/)
管工事施工管理技士の年収はいくら?
300万円台後半から400万円台前半というのが平均的な年収といわれています。当然、所有する資格や経験年数、技能のレベルなどによって左右されてきます。